結論:タイ人のナニー・メイドとの間で起きる行き違いの多くは、スキルの問題ではなくコミュニケーションの取り方の違いから生まれます。「サバーイ」の精神・メンツ(Face Saving)・「イエス」の意味・ワイ(合掌の挨拶)——これらの文化的なポイントを知っておくだけで、多くの誤解を未然に防げます。
なぜ今、この理解がより大切なのか
バンコクでナニー・メイドを希望するタイ人の数は、実は年々減っています。この理由を知っておくと、雇った後に「この人を大事にする」という視点がなぜ重要か、腑に落ちやすくなります。
タイの経済状況の変化により、外国人と話せるくらいの英語力がある人材は、ナニー・メイドにならなくても他の仕事(オフィスワークやホスピタリティ業界など)に就けるようになりました。そのため、英語ができる人材がそもそもナニー・メイドの候補プールに入ってこなくなっています。一方で、タイ語しか話せない・経験の浅い地方出身の方は、そもそも都会に出てきてこの仕事に就くこと自体が減っています。
SNSの普及も影響しています。多くの若いタイ人も、他の国の若者と同じように、インスタやTikTokに映えるような生活を「良い暮らし」の物差しにするようになりました——そしてその物差しには、他人の家で働くという選択肢はあまり入ってきません。さらにバーツ高で物価も上がり、以前ならこの仕事に魅力を感じさせた給与水準も、以前ほどの魅力ではなくなってきています。
タイ人は総じて温厚で穏やかですが、だからといって全員が誰かの家で・誰かのスケジュールで働くことを望んでいるわけではありません。そう望む人は、年々減っているのが実情です。
とはいえ、良い人材がいなくなったわけではありません——HelloNannyは今も毎週マッチングを続けています。ただ、良い人に出会えた後は「長く働いてもらう」ことの重要性が、以前より増しているのは確かです。このガイドで紹介している文化的な理解は、単なる礼儀の話ではありません。良い人材が「他で働こう」と思わずに済むかどうかを、実際に左右するものです。
「サバーイ(สบาย)」の精神を理解する

バンコクで初めてナニーやメイドを雇ったとき、多くの外国人が戸惑うのが「コミュニケーションの取り方の違い」です。問題があっても言ってくれない、曖昧な返事をする、急に休む——こうした経験は、文化的背景を知っていれば多くの場合、予防または対処できます。
タイ語の「サバーイ」は「快適・気楽・心地よい」を意味し、多くのタイ人が仕事も含めた日常生活の根本に置いている考え方です。
雇用主との関係が「サバーイ」だと感じられれば、タイ人スタッフは長く働いてくれることが多いです。そうでない場合——大きな声で怒鳴られたり、強く批判されたり、人前で指摘されたりすると——静かに距離を置いたり、ある日突然いなくなってしまうこともあります。
「メンツ(Face Saving)」を大切にする
「人前でのメンツ」を大切にする文化はタイに限らず東南アジア全般に見られますが、タイでも同様に重要です。ナニーやメイドへのフィードバックは、二人きりのときに穏やかに伝えるのが一番効果的です。
「問題があったとき、人前で指摘するのではなく、後でこっそり『こうしてほしい』と伝えたら、翌日から態度が変わりました。」——バンコク在住の外国人ご家庭より
「イエス」が必ずしも「イエス」を意味しないことがある
スタッフが「ใช่(チャイ)」や「โอเค(オーケー)」と言っても、それが必ずしも「完全に理解した・合意した」を意味するとは限りません。特に複雑な指示や、文化的に頼みにくいお願いの場合、「ノーと言いたくない」という気持ちからの返事であることもあります。
確認の方法: 指示を出した後に「どうやってやる予定か教えてもらえる?」と聞いてみましょう。具体的に手順を言えるなら、しっかり理解しています。
「ワイ(ไหว้)」と日々の感謝

合掌して頭を下げる「ワイ」は、タイ文化における基本的な敬意の表現です。雇用主から積極的にワイをする必要はありませんが、ナニー・メイドからのワイを無視せず、笑顔で応えるだけで関係性が大きく変わります。
また、日常的に「ขอบคุณ(コープクン)」(ありがとう)と伝えるだけで、スタッフのモチベーションが上がるという声は非常に多いです。
宗教・休日を尊重する

タイには仏教の行事が多く、ワンプラ(wan phra・週に一度の仏教の休日)、ソンクラーン(タイ正月)、ローイクラトンなど、タイ独自の行事があります。2026年時点の公的祝日は年13日(詳しくはこちらの法律ガイド)。これらに加え、スタッフにとって大切な仏教の行事日もあるので、休日の扱いは雇用開始前に合意しておくのがおすすめです。
コミュニケーションのコツ
- 指示はシンプル&具体的に(複数の指示を一度に出さない)
- 問題は早めに・穏やかに・二人きりで伝える
- 感謝は言葉にして伝える(毎日でも)
- ポジティブなフィードバックを先に、修正点は後に
- 不明点を質問しやすい雰囲気をつくる
まとめ
タイ人スタッフとの関係は、一方的な雇用関係ではなく、相互の尊重から成り立っています。文化的背景を理解した上でコミュニケーションを取ることで、長期的かつ安定した関係が築きやすくなります。HelloNannyでは、雇用後のコミュニケーションのご相談もいつでも受け付けています。
よくある質問(FAQ)
Q. ナニーがいつも「はい」と言うのに、実は理解してないように見えます。どうすればいい?
Q. ワイを返さないのは失礼にあたりますか?
Q. タイの祝日は年何日ですか?
Q. 本当に伝えるべき問題がある場合はどうすれば?
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