はじめに: タイの法律は変わることも多いので、これは2026年時点の分かりやすい目安として、最新情報もチェックしてくださいね。内容は、駐在ご家庭がナニー・メイドと「フェアで気持ちのいい取り決め」をするための土台です。きっちり守らせるルールというより、これをもとに話し合って決めるための出発点として使ってください。
ナニーやメイドをお家に迎えると、あなたは「雇用主」。タイには、その際の分かりやすい基準があります。2024年に枠組みが新しくなり、以前の解説や口コミの多くは今や古い情報です。ここでは今の内容をやさしくまとめつつ、お互いが気持ちよく続けられる取り決めにするコツもお伝えします。
あなたは「雇用主」——タイの労働法が適用される

家事労働者とは、家庭で(または家庭のために)働く人のこと。ナニー・メイド・料理担当・介護・ドライバー・住み込み警備などが含まれます。外国人がタイ国籍のスタッフを雇うこと自体は、まったく問題ありません。実際のところ、タイでは全部のルールをきっちり守っている家庭ばかりではありません。でも、以下の基準を“フェアな土台”としてスタッフと一緒に取り決めておくことが、後々のトラブルを防ぎ、長く気持ちよく働いてもらうコツです。
条件は「書面」にする

タイの法律は、働く人に条件を明確に示す方向です。実際、書面の取り決めは雇う側・働く側の双方を守ってくれます。できればタイ語と英語の両方で、次を明記しましょう。
- 雇用開始日・業務内容・担当範囲
- 勤務時間・休日
- 給与額・支払日
- 試用期間の有無
- 辞める・辞めてもらうときの予告
給与:最低賃金が"適用される"ようになった
これが2024年の大きな変更点です。家事労働者はかつて最低賃金の対象外でしたが、2024年から対象になりました。 バンコクの最低賃金は現在1日400バーツ(2026年)——2025年半ばに400バーツへ引き上げ——で、住み込みでもこの水準を下回らないように設定してください。
なお給与からの天引きには上限があり、1項目あたり10%まで・合計で給与の20%までが目安です。
労働時間・残業・週休
これも2024年以降の新ルールです。
- 1日8時間まで(休憩1時間)、週48時間まで
- それを超える分は残業代
- 週に最低1日は完全な休み
祝日・有給・病欠
- 年13日の有給の祝日(5月1日のメーデーを含む)
- 勤続1年で年6日の有給休暇
- 病欠は年30日まで有給(連続3日以上は診断書を求めてOK)
産休——と、実際のところどうなるか
法律上(2024年の改正〜)は、家事労働者にも産休98日の権利があり、うち45日分の給与は雇用主(ご家庭)が支払うことになっています(残りは無給。会社員と違い社会保険の上乗せもありません)。妊娠を理由の解雇はできず、妊娠中は夜間(22:00〜6:00)・残業・休日勤務もさせません。
ただ実際には、「45日分きっちり払って復帰」という形になることは、そう多くありません。 この雇用関係は口約束・現金ベースのことが多いですし、タイでは出産のときにご実家のある地方へ帰るのは、ごく自然なこと——ご家族やサポートがそこにあるからです。ですので妊娠がわかると、多くの場合は早めにやさしく気持ちを話し合って、ナニーさん自身が「地元に帰ります」と決められ、そのまま地元で子育てに入られる方も少なくありません。
温かいご家庭がされているのは、たいていシンプルです:早めに話し合い、円満に、ルールで縛るのではなく、感謝の"送り出し"(餞別やいつものボーナス)を渡して気持ちよく送り出す。そして、次の方を迎える——これがタイでの自然でやさしいやり方です。その"次の方探し"のお手伝いは、まさに私たちの得意とするところです。
社会保険:家事労働者は「対象外」
ここを勘違いするご家庭がとても多いです。多くの被雇用者と違い、家事労働者はタイの社会保険の対象外(除外)です。そのため、ナニー・メイドについて雇用主が社会保険に登録する義務は基本的にありません。(タイ人スタッフは国の医療制度で公的医療を受けられます。外国籍スタッフは労働許可に紐づく健康保険でカバーされます。)スタッフの医療をカバーしたい場合は、話し合いで民間保険を用意するご家庭も多いです。
辞める・辞めてもらうとき

雇用が終わるときは、1給与サイクル分前に予告し、最終出勤日から3日以内に精算します(未消化の有給6日分までの支払いを含む)。
なお、会社員向けに見かける段階式の「退職金(勤続年数ごとの日数表)」は、家事労働者には基本的に適用されません(家事労働者向けの規定では退職金は対象外)。ですので会社員と同じ金額を想定する必要はありません。とはいえ、長く尽くしてくれた方には、感謝の気持ちとして“送り出し”を用意するご家庭も多いです。そこはお互いが納得できる形で、気持ちよく話し合って決めましょう。
個人情報(PDPA)の取り扱い
スタッフのIDカードや住民票のコピーを預かることも多いはず。タイでも個人情報保護法(PDPA・2022年施行)が適用されます。書類は適切に保管し、第三者に渡さないようにしましょう。
まとめ
タイで雇用主になる駐在家庭は、他の雇用主と同じ基本を守る立場です——公正な給与(今は最低賃金も対象)、週休つきの妥当な労働時間、有給の祝日・休暇、そしてきちんとした書面の取り決め。社会保険だけは例外で、家事労働者は対象外です。
最初に書類を整えておくことが、後のトラブルをほぼ防ぎます。Hello Nanny Plusのアプリでは候補者を直接探してやりとりでき、雇用時の書類でお困りならチームに相談するから。初日からきちんと整えるお手伝いをします。
よくある質問
ナニーを社会保険に入れる義務はある?** A. ありません。家事労働者(ナニー・メイド・家事スタッフ)はタイの社会保険の対象外なので、雇用主の登録義務は基本的にありません。ここが他の職種と違う点です。代わりに話し合いで民間の医療保険を用意する家庭も多いです。
住み込みナニーにも最低賃金は適用される?** A. されます。2024年から家事労働者も最低賃金の対象です。バンコクは現在1日400バーツ(2026年)で、住み込みでもこの水準を下回らないようにします。
辞めてもらうときの予告はどれくらい必要?** A. 1給与サイクル分前の予告が目安で、最終出勤日から3日以内に精算します(未消化の有給6日分までを含む)。会社員向けの段階式「退職金」は家事労働者には基本的に適用されません。長く尽くしてくれた方には感謝の“送り出し”を用意するご家庭も多いので、そこはお互い納得できる形で決めましょう。
最後に: タイの法律はときどき変わるので、最新情報もチェックしてくださいね。この内容は、スタッフと“フェアで分かりやすい取り決め”をするための土台です。これをもとに話し合って決めることが、結局いちばんトラブルを防ぎます。準備のお手伝いが必要なら、私たちにお任せください。
あわせて読みたい: バンコクでナニー・メイドを雇うには(完全ガイド)/バンコクでベビーシッターを探すには


